Ver. 2.11 が誕生!有償 CMS としての価値を高め、安心して使っていただくために。

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CTO 伊藤(写真は前回のインタビューと同じなので差し替え予定)


2019年12月17日、a-blog cms の Ver. 2.11 がリリースされました。今回のアップデートのコンセプトとこだわった部分、また料金体系のリニューアルについての想いを、開発者の伊藤淳に聞きました。

今回のアップデートの目的と背景を教えてください。

前回の Ver 2.10 に引き続き、目立った新機能が登場したというよりは、ベースになっている機能をよりブラッシュアップさせることに重点を置きました。具体的には、パフォーマンス周り、セキュリティ周りの細かな仕様を今まで以上に向上させた形です。

パフォーマンス、セキュリティともに目には見えづらい進化ではありますが、使い心地と安心感のアップを目指しました。特にユーザーの方からご意見をいただいたわけではなく、私自身がエンジニアの視点から気になっていた課題を解決していきました。なんとか年内に発表できて良かったです。

パフォーマンス周りではどのような点が向上しましたか?

モジュールごとのキャッシュ機能が追加されたことで、これまでよりもページの読み込みが速くなりました。基本的に a-blog cms はページ単位でキャッシュを行う仕組みのため、閲覧者が新たな URL に飛ぶたびにすべてのモジュールが動作し、読み込みが必要となります。これまでモジュールごとのキャッシュ機能の設定にはエンジニア的な知識が必要だったものを、Ver. 2.11 からノンプログラムで簡単に設定できるようになりました。

パフォーマンスは本来、Web サイトを制作・運用するうえでとても重要なものにも関わらず、コンテンツの内容と比較するとつい後回しにされがちです。基本的に WIFI 環境のある社内で作業を行う制作者にとって、気が回りづらい部分でもあります。しかし、ほんの数秒でも読み込みに時間がかかるだけで、閲覧者がサイトを離脱するきっかけになってしまう。これは私自身、a-blog cms でつくったさまざまな Web サイトをスマホから閲覧していて気づいた課題でした。特に格安 SIM のスマホでは、料金が安いぶん通信速度が制限され、昼休みなど Web の閲覧が集中する時間帯には読み込みの遅さを実感したんです。

今回のアップデートではこうした閲覧者の目線も意識し、よりサクサクと動作することを目指しました。どんなに優れたコンテンツでも、見てもらえなければ意味がありませんからね。

続いて、セキュリティ周りの進化について教えてください。

まず大きな変更点としてお伝えしないといけないことがあります。Ver. 2.11 より校正オプションの仕様が変更になりました。従来までは校正オプションを1つ以上設定する場合、自身でエスケープする必要がありましたが、Ver. 2.11 からは強制的にエスケープしてから校正オプションが動作するようになりました。どうしてもヒューマンエラーは起きてしまうものです。互換性が犠牲になってしまいましたが、セキュリティを考えこのようになりました。

そのほか、一定時間におけるログイン試行回数の制限を行う機能や、2段階認証機能も新たに追加。より強固なセキュリティを備え、今まで以上に安心して使っていただけるようになったかと思います。パフォーマンス面もセキュリティ面も絶対に必要だった機能ではありませんが、有償 CMS としての価値を高めるために「より速く安全に使えること」を目標にしました。

今回から、ライセンスの購入方式も新しくなりましたね。

初の試みとして、これまで通りの買い切りに加えて、月額支払いのサブスクリプション方式が追加されました。今なら特別価格として月々 1,500円〜でスタートできますし、支払い形式の選択肢が増えて、手軽に始めやすくなりました。しかもサブスクリプション形式なら、プランを月ごとに変更することも可能。たとえば Web サイト公開前にはユーザー数無制限で利用できる「スタートアップ+」プランにしておき、サイト公開後、簡易的な更新・保守のみで OK になった時点で「スタートアップ」に切り替えるといった、柔軟な利用の仕方もできますよ。より複雑な承認機能やフルパブリッシュ機能が必要になる期間のみ「プロフェッショナル」を選択するのもおすすめ。買い切りだと 50万円のプロフェッショナルライセンスが、月額 1万5,000円と試しやすくなったこともポイントです。



有償アップデートについて、開発者としての想いを教えてください。

同じく料金体系の話ですが、今回のバージョンからマイナーアップデートが有償になります。料金は買い切りであれば年間 1万円、サブスクリプション形式であれば月額費用に含まれる形です。その代わりと言っては何ですが、Ver. 2.8 以降のものはバージョンアップしなくても済むように、リリース日から数えてバグフィックス 2年間、セキュリティフィックス 5年間のメンテナンス期間を保証。

これまでは弊社としてもバージョンアップを推奨していて、旧バージョンに対するメンテナンス期間はあいまいだったのですが、今回から明確にお約束させていただきました。正直なところ、これまで無償だったバージョンアップが有償になることに、私自身、抵抗がなかったわけではありません。だからこそ、ただの値上げではなく、ユーザーの方にきちんと納得していただける改定を目指しました。もちろん今後は、有償でもアップデートしたいと思っていただけるように、ますます最新バージョンの使いやすさと機能に磨きをかけていきます。

そのほか、アピールしたい新機能はありますか。

フロントビルド環境が入った開発テーマが追加されたのも、Ver. 2.11 の特徴の一つです。a-blog cms はノンプログラムで無理なく利用できることが売りの一つではありますが、プログラミングができるとさらに便利に使える CMS でもあります。

プログラミングは進化の流れが早く「何から学んで良いか分からない」という声も多いのですが、そうした方々のために最初の環境として用意したものが今回の開発テーマです。やや上級者向けではありますが、プログラミングに挑戦するきっかけづくりになれれば幸いです。a-blog cms を深く使いこなしていらっしゃるユーザーの方々には、さらなるレベルアップの一歩として、a-blog cms と一緒に成長していっていただけたらという想いを込めました。

最後に、ユーザーの方々にメッセージをお願いします。

おかげさまで、a-blog cms は 2019年6月に 10周年を迎えました。改めて Ver. 2.11 の開発背景を振り返ると、ユーザーの方に”安心”を届けることがキーワードだったかと思います。有償 CMS として安全に使っていただけることを目指しましたので、ぜひお試しください。また今回、パフォーマンス周り、セキュリティ周りを進化させましたが、まだまだ十分とは言えません。今後も引き続き、目に見えない機能のブラッシュアップに加え、ますます見やすく使いやすい UI にも磨きをかけていけたらと思います。有償 CMS としての価値をさらに高め、他社の CMS との差別化を図っていきたいですね。

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