ユーザー権限に応じて管理画面のメニューを振り分ける方法

Ver.2.10よりルール機能に新しく「ログインユーザー権限」が追加されました。この追加されたルールを利用することで、投稿権限や管理者権限などの権限に応じて管理画面に表示するメニューを出し分けることも可能です。


設定方法

1. 権限用のルールを追加する

今回は「投稿者権限」のためのルールを新しく追加します。管理画面 > ルールよりルール管理画面に移動し、ルールを作成してください。ルール名は任意に決めてください。ここでは、「投稿者の場合」としています。


次に、ルールの詳細情報を設定します。Ver.2.10より詳細情報の設定で、「ログインユーザー情報」という項目が追加されています。今回は、投稿者の場合のルールを作成したいので、赤枠の左のセレクターを「=」に、右側のセレクターを「投稿者」に設定してください。


その後、「作成」ボタンをクリックしてルールを保存してください。

次に「メニュー管理」のページに移動します。管理画面の左のバーティカルメニューから?マークをクリックし表示されるドロップダウンメニューから「メニュー管理」を選択してください。



メニュー管理ページに移動した後、画面上部にある、「ルール」から先ほど作成した「投稿者の場合」のルールを選択してください。


あとは必要な投稿者に必要なメニューを選別し、必要のないメニューは「表示させない」レーンにドラッグして保存します。


実際に投稿者のアカウントでログインすると、管理メニューが「エントリー」だけになっていることが確認できます。


post_include を次のレベルへ! a-blog cms における htmx の活用法

ウェブサイトやブログをよりインタラクティブにするためには、革新的な技術の採用が欠かせません。特に a-blog cms を使用している皆さんにとって、post include 機能は、フォームの POSTメソッドを介したデータ送信に依存することで、コンテンツの動的な組み込みや更新を可能にする強力なツールとして知られています。しかし、この機能の利用シナリオが POSTメソッドに限定されていることは、その潜在能力を完全には引き出していないかもしれません。

そこで登場するのが htmx です。この軽量な JavaScriptライブラリは、HTML を直接拡張し、Ajax、CSS Transitions、WebSocketsなどを簡単に利用できるようにすることで、ウェブページにリッチなインタラクティビティをもたらします。htmx を使用することで、post include 機能を単なるフォーム送信の枠を超えて、ページ全体の非同期更新や動的コンテンツの表示に活用できるようになります。

本記事では、a-blog cms における post include 機能の基本から出発し、htmx を組み合わせることでどのようにその適用範囲を拡大し、サイトのユーザーエクスペリエンスを向上させることができるのかを掘り下げていきます。従来の使い方に慣れ親しんでいた方々も、htmx が開く新しい扉に驚くことでしょう。


a-blog cms の post include 機能とは

a-blog cms における post include 機能は、10年以上前から提供されている、Ajaxを利用したコンテンツの動的読み込み機能です。この機能は、特にフォームを介した POST メソッドのリクエストを介して、指定された HTMLテンプレートファイルの内容をページに非同期で挿入することができます。このプロセスは、ユーザーのページ遷移を発生させることなく、リッチなユーザーエクスペリエンスを提供します。

基本的な post include の実装方法

post include 機能の一般的な利用例としては、以下のようなフォームのコードが挙げられます。

<form action="" method="POST" class="js-post_include" target="#result">
  <input type="text" name="keyword" value="">
  <input type="hidden" name="tpl" value="result.html">
  <input type="submit" name="ACMS_POST_2GET" value="検索">
</form>
<div id="result">検索結果が表示されるエリア</div>

このコードは、検索ボタンがクリックされた後に、ページを遷移することなく result.html を読み込み、<div id="result">〜</div> を置き換えます。 class="js-post_include" が指定されたフォームは、この動的な読み込みをトリガーとする特別な役割を持っています。



js-post_include フォームの送信ボタンを押した後に実行する
js-post_include-ready ページを読み込んだら自動的に実行する
js-post_include-bottom ページの下部までスクロールしたら自動的に実行する
js-post_include-interval 一定時間ごとに自動的に実行する

また、result.html のコードは以下のように書かれています。

<!-- BEGIN_MODULE Entry_List -->
  <ul>
    <!-- BEGIN entry:loop -->
      <li><a href="{url}">{title}</a></li>
    <!-- END entry:loop -->
  </ul>
<!-- END_MODULE Entry_List -->

htmx とは

a-blog cms を利用している方に向けた分かりやすい紹介として、htmx は、post include のように、複雑な JavaScript を記述せずとも HTML属性を加えるだけで Ajax を用いたコンテンツの読み込みを可能にする JavaScriptライブラリです。

a-blog cmspost include(acms.js)に比べて軽量であり、POST メソッドだけでなく GET メソッドでのリクエスト設定も可能です。記事の一覧のリンクからでも、Ajax でコンテンツの読み込みができるようになったり、1つのエリアだけでなく複数の離れたエリアを同時に更新することも可能です。

post include から htmx に変更する

post include で実装したコードを htmx に置き換えると、以下のようになります。

<form action="" method="POST" hx-post="/" hx-trigger="click" hx-target="#result" hx-swap="outerHTML">
  <input type="text" name="keyword" value="">
  <input type="hidden" name="tpl" value="result.html">
  <input type="submit" name="ACMS_POST_2GET" value="検索">
</form>
<div id="result">検索結果が表示されるエリア</div>

<form> タグに htmx の属性を追加するだけで、同様の動作が実現できます。これであれば、post inculde でコンテンツを読み込む実装ができる方であれば、htmx を使えるようになることも難しくないのではないでしょうか。

<a href="result.html" hx-get="result.html" hx-trigger="click" hx-target="#result" hx-swap="outerHTML">クリック</a>
<div id="result">検索結果が表示されるエリア</div>

さらに、a-blog cmspost include で実現できない機能として、リンクに hx-get 属性を設定することで、htmx の実行が可能です。

<head> で読み込む JavaScript

<script src="https://unpkg.com/htmx.org@1.9.10"></script>
<script src="https://unpkg.com/htmx.org/dist/ext/ajax-header.js"></script>

a-blog cms のテンプレートの中で、htmx を呼ぶためには、hx-ext="ajax-header" を追加する必要があります。そして、これを利用するためには、<head> タグ内に以下のように htmx のライブラリとあわせて ajax-header.js も読み込みます。

今回は、CDN を利用していますが、テストではなく実運用するサイトでは、ダウンロードしてご自身のサイトに JavaScript を設置してご利用ください。

実践的な例

現在、htmx@site という名前で、site テーマの子テーマとして、htmx を活用したテーマの実験的な作成を進めています。

お知らせコンテンツのページャーを htmx 化

site テーマのトップページに配置された「お知らせ」セクションでは、htmx を用いて、続く「お知らせ」記事を読み込む機能を実装しています。


物件情報の検索機能を htmx 化

キャプチャ画像では詳細が伝わりにくいかもしれませんが、この機能により、ユーザーが物件を検索する際の画面遷移を排除し、結果の一覧と詳細ページをスムーズに更新できるようになっています。


このカスタマイズを施したテーマに関しては、後日このブログで詳細な解説と共に、テーマのダウンロードリンクを提供予定です。

まとめ

この記事を通じて、a-blog cmspost include 機能に既に精通している方々に、htmx の導入が難しくないことをお伝えしたいと思います。更に、htmx を利用することで、a-blog cms の開発者は、従来は実現困難だった新しいUI/UXを提案できるようになります。

htmx はページ遷移なしにコンテンツを簡単に読み込むことができるシンプルな仕組みを提供します。この軽量なライブラリと、デザインとロジックの分離を実現し、直感的で理解しやすいテンプレートを提供する CMS である a-blog cms との組み合わせは、非常に相性が良いです。

両者はシンプルでローコードなアプローチを共有しており、htmx の活用法を共有することが、a-blog cms の開発者にとって非常に有益であると考えています。

引き続き、htmx に関するカテゴリーを新たに追加しましたので、さらなる Tips を共有していきます。どうぞお楽しみに。

コンフィグセット

コンフィグセット機能とは

コンフィグセット機能ができる以前は、ブログ毎にコンフィグを設定する必要がありサイト全体で共通の設定(サイト全体にベーシック認証をかけるなど)を行いたい場合でも、全ブログのコンフィグを設定を行う必要がありブログ数が多いと大変でした。

Ver. 2.10.0 で導入されたコンフィグセット機能を利用すると、コンフィグのセットを作成することができ、このセットをブログまたはカテゴリーにセットすることで、コンフィグ設定できるようになりました。これにより、同じコンフィグセットを利用しているブログやカテゴリーのコンフィグを一回の操作で変更できるようになります。

また、コンフィグセットは複数作成しておくことができるので、カテゴリー毎にコンフィグを変更するといったことも可能になりました。


コンフィグセット一覧

コンフィグセット機能を利用する

例えば、サイト全体(複数ブログ)のコンフィグを1つのコンフィグで管理し、サイト全体にBASIC認証をかけてみます。

1. サイト全体の共有のコンフィグセットを作成

管理画面 > コンフィグ よりコンフィグセットを新規作成します。


コンフィグセットの作成画面

2. 作成したコンフィグセットを編集

先ほど作成した、「サイト全体の共有のコンフィグセット」を選択して、コンフィグ一覧に移動します。


コンフィグセット一覧画面

BASIC認証をかけるため「アクセス設定」に移動して、BASIC認証を設定します。


BASIC認証設定画面

3. ルートブログにコンフィグセットを適応

「管理画面 > ブログ」に先ほど設定したコンフィグセットを割り当てます。


ブログ編集画面

この時重要なのが「子ブログにも継承する」にチェックをつけることです。ここにチェックをつけることで、チェックをしたブログまたはカテゴリーの子ブログ・子カテゴリーも同じコンフィグセットを参照するようになります。

以上で設定は完了です。これでサイト全体にBASIC認証をかけることができました。

子ブログへの継承

Ver. 3.1.0 で、コンフィグセットをブログやカテゴリーにセットした時、子ブログや子カテゴリーにも継承させることが出来るようになりました。


ブログ編集画面

「子ブログ(子カテゴリー)にも継承する」にチェックをつけた場合

「子ブログ(子カテゴリー)にも継承する」にチェックをつけた場合は、設定したブログ(カテゴリー)の子ブログ(子カテゴリー)にも同じコンフィグが設定されます。

子ブログ(子カテゴリー)は孫も含む全ての子階層のブログ(カテゴリー)が対象です。

子ブログ(子カテゴリー)でも、コンフィグセットを適応した場合、子ブログ(子カテゴリー)で設定したコンフィグセットが優先されます。よってコンフィグセットが設定されていない子ブログ(子カテゴリー)にだけコンフィグが継承されるようになります。

親ブログ(親カテゴリー)で「子ブログ(子カテゴリー)にも継承する」にチェックがついている場合かつ、子ブログ(子カテゴリー)でもチェックが付いている場合、孫ブログなどの子階層のブログ(カテゴリー)は、チェックがついている一番近い親のコンフィグセットを継承します。

「子ブログ(子カテゴリー)にも継承する」にチェックをつけなかった場合

子ブログ(子カテゴリー)にも継承する」にチェックをつけなかった場合は、そのブログ(カテゴリー)でのみ、コンフィグが適応されます。